田舎暮らしを助ける仕事は取材される

2018-02-18

 

きょうは新聞記者時代に感じた暮らしのヒントを。
私が北海道新聞の広尾支局長として赴任した時の話です。
全国で過疎に悩む田舎暮らしの生活が少し便利になるのであれば幸いです。

 

人口9000人 帯広から80キロ離れ

 

私が赴任した北海道広尾町は、襟裳(えりも)岬の東に位置する海沿いの街です。
人口は私の支局長当時で約9000人。かつては13,000人を超える人口がありました。
酪農を中心とした農業と漁業が盛んです。
鉄道ファンでなくても覚えている方がいるかもしれませんが、かつて国鉄の広尾線がありました。
全国的にブームになった切符「愛国発幸福行き」のある広尾線です。
廃線後は自家用車での移動が欠かせなくなりました。
十勝地方の南端で、帯広市から約80キロ離れています。
(支局長としての取材は大樹町、忠類村を含めて2町1村ありました)

 

支局長として欠かせない取材はありますが、その義務をこなした上で珍しい話を発掘するのが好き。
元社会部記者ですかから、市民生活に関わる話題を報道することに楽しさを感じていました。

 

北海道新聞はユニークな新聞です。
北海道という広大なエリアを抱えているため、地方ごとの紙面(地方面)を充実させています。
記者が面白いと感じた現象を載せる場がたくさんあることは、取材の自由度も増すことになり、
書き方次第では、古くからの習慣なども記事にできる利点があります。
広尾町の話題もそんな「生活」のひとつでした。

 

活躍する「便利屋さん」

 

先ほども書いたように、十勝の中核を担う帯広市とは約80キロ離れています。
車で片道2時間ほど掛かる訳ですから、簡単に行き来はできません。

 

 

そんな環境の中で活躍しているのが「便利屋さん」。
広尾町内に2社の便利屋業者があり、帯広と行き来して町民を助けています。
取材して驚いたのがその依頼内容でした。

・帯広の病院に入院した母に漬物や煮物を届けてほしい
・帯広の親戚宅から〇〇を持ってきてほしい
・帯広のミスタードーナツであれとこれを買ってきてほしい

 

依頼一件につき料金は一律500円(当時)。
実費は別に渡すシステムです。
町民は前日夜までに便利屋さんに電話で依頼するだけ。
2社あるので、片方の便利屋さんが急に休むことになっても、残る1社が助けてくれます。

 

当時の取材では、1社に毎日およそ数件の依頼があると聞きました。
便利屋さんは帯広から定期の宅配便も請け負っています。
通常の仕事に加えて町民の依頼に応えるシステムは、業者にとっても町民にとっても便利。
空いた荷台スペースや空き時間を有効に使えますから。

 


このシステムは「困りごとの解決」から始まったそうです。
町民から急に頼まれた依頼がきっかけ。定番メニューになったといいます。

 

きっと喜ばれる仕事

 

あなたの地域がもし過疎地で、しかも中核都市からかなり離れているのでしたら、
この広尾町のような便利屋さんを生み出す流れを作ってはいかがでしょうか。
もちろん、新聞やテレビに取材されると思います。私が記事にして好評だった話題です。

 

プレスリリースを何度かマスコミに出すチャンスがあります。
便利屋さん開始決定でまず1回。
開始から1カ月で街の評判も入れてさらに1回。
こんな需要もあったとエピソードを入れてもう1回。

 

楽しみながら地域に貢献する姿はきっとマスコミの記者の共感を呼ぶでしょう。

 

元新聞記者、テレビ局デスク
メディアコンサルタント・荒川岳志

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