都市間バスで地方が儲かる方法

2017-04-05

 

 

全国に交通網がある都市間バス

 

都市間バスは全国を網羅しています。
この交通網をうまく活用できないか、と考えていました。
乗客の話ではありません。
トランクなど大きな荷物を預けるあのスペースの活用です。

 

特に過疎の地域と大都市を結ぶバスは大きな期待を持てます。
都市間バスの荷物置き場(前後の車輪間にあるスペース)はまるで宅配便のような役目になるので、
地方の港で水揚げされた魚介類をその日のうちに大都市に運ぶ定期便になれば、大きな効果が期待できます。

 

 

 

漁業者に捨てられる「雑魚」

 

漁港で水揚げされる魚介類は「お金になるかならないか」で仕分けされます。
網に掛かっても、雑魚だと判断されれば船上から海に戻されます。
しかし、本当に雑魚かどうかは、調理人の目と漁業者の現場では判断が異なります。
漁業者は主力の魚介類を水揚げすることに専念しているためです。
雑魚かどうかの判断を新たにすると「漁業者が潤う」きっかけにもなると思うのです。

 

私の新聞記者としての初任地・小樽で、こんなことがありました。
小樽は豊かな漁場があり、ニシン漁が盛んでした。
大量に獲れるのはニシンだけではありません。
エビ、シャコ、アワビ、イカ、ウニ…。こうした主力の魚介類だけでも豊かな収入がありました。
雑魚が収入になるという考えはありませんでした。ハッカクが注目されるまでは。

 

ハッカクは文字通り、魚体が八角形をしている魚です。
ひれが大きく、魚体がそれほど太くないため、食べる部分が少ない「雑魚」でした。
さばくのに手間が掛かる魚です。白身は上質ですが、大量に出荷するほどの水揚げもありません。
かつては地元だけで消費されていた魚です。
しかし、その希少性がテレビを始めマスコミから注目されるきっかけになり、
人気の寿司ネタとして小樽観光の集客にも貢献することになったのです。

 

 

また、私が北海道新聞の支局長として赴任した広尾町でも同じようなことがありました。
江戸前の寿司ネタに欠かせないアオヤギが獲れていたのですが、
地元の漁業者はアオヤギだと知らず、出荷していなかったのです。
アオヤギはかつて、東京湾でたくさん獲れていましたが、今では希少な貝類になりました。
天然の良質なアオヤギが北海道から築地に出荷されたら…。
その漁場である広尾町周辺のブランド化にもつながります。

 

 

価値のある魚介類がある

 

調理人や市場関係者さえ知らないギャップが、漁業の現場で起きています。

大切なのは、食材を提供する側が地方の漁港に足を運び、目利きを手伝うことですが、
全国の漁港の数も多く、物理的に難しいでしょう。
そこで、都市間バスを使った「雑魚」の流通を提案したいのです。

 

漁業者にとって、お金にならないような雑魚であっても、それは価値観の違いいかもしれません。
定期便を作れたら、の話ですが。こんな流れです。

 

①漁業者が主力以外の魚介類も漁港に持ち帰る
②漁港の仲買人がその中から選別する
③魚は活締め、貝類はその他の方法で
③大型の発泡スチロールに入れる
④都市間バスのトランクに入れる
⑤到着した都市で街の鮮魚店に持ち込む
⑥鮮魚店から料理店に

 

確かに問題もいくつかあります。
毒がある魚介類が混じらないような目利きが入る必要があります。
都市間バスのトランクに乗客以外の荷物を入れる面倒。そして法的整備。
到着後の荷捌き。料理店の開店時間との兼ね合い。
収益の分割方法。

 

などなどありますが、日本の漁業が高齢化している中、何か考えないと。
漁港が注目され、人が集まるきっかけに。
全国の漁場で水揚げ量が減る中、捨てるものをお金に換え、マスコミ取材も呼ぶ。
そんなアイデアがあればと思うのです。

 

元新聞記者、テレビ局デスク
メディアコンサルタント・荒川岳志

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